「トーキョーアーツアンドスペースレジデンス 2023 成果発表展『誰かのシステムがめぐる 時』」(トーキョーアーツアンドスペース本郷)
“TOKAS Creator-in-Residence 2023 Exhibition ‘As Above, So Below’,” Tokyo Arts and Space Hongo にコラボレーションワークを提供。
太田遼の撮影した写真を普通紙に印刷し、2枚重ねてライトボックスの上に裏返して置き、水を使って撮影された映像。
紙の裏に滲み出た図像は台湾滞在中に唯一、部屋の内側から太田が撮影した窓枠越しに見える外の風景である。
今回の太田の作品での内と外を曖昧な隔たりによって攪拌する行為に、濡れた紙に滲むイメージが裏表を行き来する様子を重ねながら、見ることの出来なかった風景によって見えてくるものを考察する。
映像の合間には、台湾と日本でモニター越しにコミュニケーションを重ねる際に通話が終わってモニターの暗い画面に反射する「ここにいる自分」の姿を映し、埋まらない隔たりと親密な断絶の挿入を試みた。
攪拌して行き来する事と圧倒的隔たりの自覚の繰り返しによって、目の前の風景を疑いたい。
Photo: TAKAHASHI Kenji
Photo courtesy of Tokyo Arts and Space