昔よく通った町の駅前の、よくわからないコンセプトのチェーン店ではない店にて。
この駅に来ると、なんだか少し良いことばかりではない記憶が蘇るけど、不思議とこのまちが好きです。
多分、良くない記憶をひっくるめて好きなんだと思います。
2階の窓際のこの席から見える駅前の景色は、あの頃と大きな違いもなく。
でも、あの頃と同じ道を通ってみても、好きだった場所に行ってみても、あの頃と同じではなさに気がつくばかり。
そりゃあそうかと思いながらコーヒーを飲み座るこの店も、あの頃には無かった。
刻一刻と変わる自分という枠の中から見つめる物事が、不変のものであるなんて、きっと勘違いでしかないのかなと思うと少し面白く感じました。
幻影としての不変の姿ではなく、それがそれででしかない事も、変化していくことも好ましく思えるのだとしたら、
この街のこともきっと好きでい続けられるのなあと思いました。
私がどう見ようと、どう感じようと、ここはここ。そして、ここは私の思う「ここ」のままでも無い。
と、書いてみて、またしてもそりゃあそうかあ、と思いながらコーヒーを飲み干しました。
今日はフラフラしようと思って仕事を終えて降り立った駅での散文。