2019年6月5日

6月 05, 2019

21時16分。アトリエも涼しい。

こもるにはちょうど良い。窓を開けていると気持ちいい。

ほんの数ヶ月前は寒くて鼻の頭が冷たくなっていたのになあ、と思う。

こんなことしてるとすぐに、今年ももう終わりかあ、とかいうことを書く日がきてしまいそうなので怖い。

とりあえずすぐに作品に繋がらなくても、考えてみたり、本を読んだりする時間を作りつつ過ごす。

 

大学生の時、一人暮らしの夜の時間を持て余して、よく自転車を意味もなく走らせていた。

夏の夜は何か出来そうで、実際は大したことも起きなくて。

ある日の夜、自転車を走らせていたら、遠くに花火みたいな光が見えた気がした。音はしなかった。

暇だから光が見える方へ適当に向かっていったように思う。

しばらく進んだところで、その光はパチンコ屋が花火風に作った照明だと気が付いた。

薄々感づいてはいたけど、急にバカらしくなってアパートに戻ろうと引き返した。が、そこからが大変だった。

大した距離を進んだわけでもないのに本格的に道に迷ってしまった。

行けども行けども、同じような住宅街。光を目指して適当に進んだため、道も覚えていなかった。

その当時はGoogleマップも身近ではなかったから、勘で進んだら更に迷い、どっちからきたかすらも解らなくなった。

自転車で10分くらいのはずの距離を、1時間以上迷っていた。

何とか知ってる道に出た時は、花火みたいな照明のことも、大したドラマも起こらぬ退屈な夏の夜のこともどうでも良くなっていて、

ただただ恐怖を感じた。もう一生知ってる場所に戻れないような。

結果、近所をひたすらにぐるぐるしていただけだった。いくら方向音痴といえどあの時のような迷い方はそれ以来していない。

多分たくさん夏には良い思い出があるはずなのに、その夜のことをなぜかたまに思い出す。

知っていたと思っていた近所の景色が、少しズレただけで全く見知らぬものになった。

今、同じようなことになったら、やっぱり恐怖を感じるのだろうか。

もしかしたら少し親密な感覚を覚えるのかもしれない。なんてことも思う。

 

そうこうしてると21時47分。こんな変な文章に30分。

すぐに年末になってしまいそうで恐ろしい。

 

 

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