朝の5時くらいでももう明るい季節になってしまった。
寒い季節はまだ夜のように暗くて、外に出て走ったりしていても道がとても暗い。なぜか夜よりも暗い気すらする。
日中に見えていたものが見えなくなって、知ってるはずの道が見知らぬ場所のように感じ、近所の道なのに少し怖くもあり、楽しい。
徐々に日の出が近くなってくると、空の色が明るくなり始め、シルエットのように見えていたものに陰影ができ、質量として現れてくる。
それまでも変わらずそこにあったはずなのに、少しずつ変化して現れてくるように見えるそれらは、見ず知らずのもののように思えた。
たとえ毎朝でも、毎回見ず知らずのもののように。
走り始めて気がつけば13年目くらいになっているけど、毎朝変わらず面倒臭い。走る距離は変化しているけど面倒臭さは変化せず。
でも、見え方を考えさせられる何かに出会えることも多く、面倒臭くてもまだ走っている。いつでも辞めていいから、辞めどきを見計らっているうちに
随分時間が経ってしまったので、なんだかわからないけどまだやっている。ただ個人的に淡々と、なんで走ってるのかよくわからず走る。足が痛いときは歩く。
気になる何かに出会ったような気がしても、走り去るので、今いち掴めないでその日は終わる。それが繰り返されてぼんやりと何かを感じてきて、
あとあとで言葉が追いついてくることが多い。走り去って忘れてしまって、何にもならない事も多い。
走り終わったときはもういいやと思うのに、また朝になると行くかと思ってしまう。
なんだか私のやっていることはみんなこんな感じだな、と思ったりもする。