2019年5月27日

5月 27, 2019

うつした事にも、うつりこんだ事にももう記憶は薄ぼんやりとしかない。

その記憶すらも、そこで固着して、張り付いて留まっているイメージから得た、原本に限りなく似たようなものでしか無いのかもしれない。

見返す時にはもう過去のものとなったその瞬間を、反復して見る事で更に摩耗させ、意味をすり替えていっているようだ。

でも、それすらも無ければ容易に脳裏から消えて行くイメージ達。

元の形のままの保管は不可能だとわかっていても、シャッターを切る。

変わって行くことがわかっているのに、シャッターを切る。

写真の向こうの視線は、宙空に浮き、漂う。視線の先の対象はすでにもうそこにはいないこととは関係なく、ただそこに漂う。

 

 

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