すごく薄くて、あちらが透けて見えていても、どうしてもそこにはある。 そこにある何かに反射したものが、今まで向こう側に見出そうとしていたものとは別の角度のものを映し出す。 向こう側も反射も綯い交ぜになり、見出そうとしてすらいなかったものを映し出す。 だけど、反射は刻一刻と移り変わり、先ほど見出したそれからまた離れていく。 どうしてもそこに何かがあることで、私はそこに目を凝らすことができる。 たとえすぐ忘れてしまうとしても。