2020年3月29日

3月 29, 2020

今日は朝から雨か雪の予報だったから、昨夜から走る気もなく、寝坊してみた。

目覚めると想像以上の雪。

 

我が家は築年数の割には前の住人である大家さんが大事に住んでいたのか、数字ほどの古さは感じない。(と思い込んでいる。)

でも、妙に広く、そして木造なので寒い。

窓がいっぱいあるから、家の中にいても雪の反射のせいでいつもより更に明るくて、今日は寒いけど妙に気持ちもよかった。

 

 

大学職員時代に住んでいた家(小屋?)は、薄給で生活費全てを賄うためにと、とにかく安さのみを求めた結果のような建物だった。

大学では通称「男村」と呼ばれていたワイルドな建物群は、アトリエ利用する人も多く、集落としては賑わっていたけど、

ムサビが舞台になった少女漫画に出てくるような代物ではなかった。と、思ってしまう。

ほとんど寝に帰っていただけだからよかったけど、気温が氷点下になると水道管が凍結して水も出なくなった。一応東京都だったのに。

春になれば、隙間だらけのサッシのところから、閉めているにもかかわらず、サクラの花びらが舞い込んで綺麗だったなあ、、、

と前向きな事は思えず、ボロ家具合にがっかりしていた。

隙間もいっぱいということで、すごいでっかいムカデが出たときは、パニックになるよりも先に、逃がして刺されたらまずいという危機感が働き、

手近にあった鍋つかみでつかんで生きたまま外に投げ捨てた。

 

玄関のドアは軽く体当たりしたら多分開けられるような作りで、風呂場は、当時何回か遊びに来てくれた母曰く、「ここは外だね。」という感じの場所だった。

あの時、どうやって寒さをしのいでいたんだろう。もはや記憶がない。

ボロさに気持ちが負けないようにと、綺麗に掃除はしていたけど、仲の良い友人が尋ねてきてくれたものの、

ワイルドすぎてもう来たくない、と言われた時もあった。(今もその友達とは仲は良い)

目を細めてぼんやりした視界でみれば、当時流行っていた生活系の雑誌のナチュラルライフを楽しむ人の家に見えなくもない…と思おうとしたけど、

大家さんが自分で建てたんじゃないかと思うくらい壁の薄いその家は、台風になれば押入れの壁に水の跡が滲んだ。

その他諸々あるけれど、なんだか話題には事欠かない家に住んでいたように思う。当時は面白くもなんともなかったけれど。

 

そんなアトリエ群も、震災後に取り壊され、土地は宅地整理されてしまっていた。

全く思い入れのない家だったけど、そのことを思い返し比較対象としてみると、大抵の家は素敵に見える、という

前向き?な心を手に入れた、と思うといいのかもしれない。

 

その後何回かの引越しをへて、今の家に至る。寒いけど(古いからいっぱい不具合もあるけれど)天国だな〜と思う今の家。比べるのも大家さんに悪い。

多分、不具合があると報告すると、ブイーンと車に乗って直しに来てくれる大家さんのおかげもある。(大抵は直りきらないけど、優しさが嬉しい)

家にいることが多くなるので、何と無く家のことを考えることも多くなる。

次のOn the 25thは、自分の家になりそう。