日付が変わるちょっと前の帰宅。
今夜はギリギリでは無いので、いつもより遠回りになる電車に乗って帰ってきた。
終点の駅が近くなるにつれて、車両にはほとんど人がいなくなる。
ガラガラの深夜の電車からぼーっと外を眺めて帰るのはなんだか楽しかった。
ぼーっと眺めながら思っていたのは、声ってどうやって覚えていられるのだろう、と。
毎日聞く人の声は覚えているようで、でも、どんなだったかなと改めて考えると、顔や立ち居振る舞いよりもあやふやになってしまう気がする。
でも、忘れたなあと意識する前にまた聞くことができるから、思い出せなくなる感覚が薄いような。
忘れたように思う反面、いざ聞くことができると、顔を見るよりもいろんなことを思い出すのも声なのかもと思う。
それに、一生懸命思い出そうとしてみなければ、忘れたように思うことも気にならなくなる。
忘れたように思わなければ、思い起こすこともないから消えたように思うこともない。
覚えておくのも難しいけど、本当に忘れることも難しいものだなあ、などと車窓を眺めながらぼんやりと考えた夜。
あと3分で明日。