2019年7月31日

7月 31, 2019

窓を照らす夕暮れの色がなんだか印象的だったので、色々終えてから自転車に乗ってぼんやり走ってみた。

暗くなるまでの十数分、空を見上げながら自転車をこぐのは危なかったけど、いい時間だった。

 

何時ぞや美術館や図録で見たような絵画に出てくる空と、時代も国も違うのに同じ色調の雲があるなあ、とか、あの微妙な明度差は絵の具では難しいなあ、

とか、筆でつくるマチエールのように見える雲だなあとか考えていたから、だいぶ間抜け面で自転車をこいでいたことだろう。職質されなくて良かった。

 

夕暮れだというのに高い気温と湿気、どこかの夕飯の準備の匂い、すれ違う高校生のカップル、小学校の体育館で練習する何かのスポーツチームの声。

視覚では夏の夕暮れの空を追っていても、多角的な情報が入って来て、自分は身体を使って自転車をこぐ。

頭の中ではとりとめもないことが浮かんでは消えていく。

はっきりとした同じような具体例は無いはずなのに、どこか郷愁を感じる勝手な感情。

 

同時に起こるたくさんのことを、今日の夕暮れの空の風景に押し込めて、記憶の中に組み込んでいく。

美しかったというようなことでもなく、ただ、そんな空だった、ということ。

 

明日から8月。

 

731