2019年7月10日

7月 10, 2019

旧アトリエから引越しをして1年と少し経った。

寒くて、暑くて、一人でいるには広すぎるくらいのアトリエだった。2013年の夏に移ってから約5年間くらい、そこで過ごしていた。

そのアトリエでは随分と、考えや制作方法が変化する時期を過ごしたように思う。

 

アトリエの机は不思議だ。ほとんど素敵な記憶はないけれど。

かつての机は大きな窓に面していて、道ゆく人達が見えた。もちろんみんな建物の中を気にすることなんて無く通り過ぎていく。

 

そこで黙々と作業をしていると、自分がいなくなったみたいな気持ちになることが多かった。

うまく言い表せないけれど、感覚だけは残っていて、そのまま身体が無くなったような。

意思と判断の集積による作業をしているはずが、作者である自身が欠落していくような。

場所を移った今でも良く感じるけど、旧アトリエの机は大きな窓に面していたからか余計に印象的にその感覚の記憶が残っている。

 

自身の意思に確信を持てたことなんて一度もないのかもしれないけど、今こうしてここに居るのは、その時その時の判断の

集積の結果であるとしたら、このわからなさは何だというのだろう。どうやって選び取って、また、選び取らなかったのかが思い出せない。

でも、やっぱりそこには何らかの意思と判断があるのだとしたら、それらをどう扱い、変更したり、更新していったりするのかを

考えないといけない気がしている。

 

とか何とか、何の出口もない文章を考えるのも、また何処かの机の上。

 

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