2019年2月12日

2月 12, 2019

数年前、知り合えた作家から聞かせてもらった話について考えてみる。

 

「イメージとは何か」ということに関して、その人は、「空の棺桶に黒い喪布がかかっている状態」と聞いたと言っていた。

(数年前なので話のディティールが合っているかは自信がないけれど自分なりの解釈をさせてもらいたい)

その人とは沢山の話をさせてもらった中で、そのことが妙に今も印象に残っている。

 

中身が入っていたら、それはそれでしかない。

棺桶が空である状態に対しての不安に耐えかね、自分の身をこじいれて、今、対峙している状態を把握し、

理解したと思って安心を得ようとしてしまう。

そこから抜け出し、空の棺桶が傍にあるということに思いを馳せながら、歩いていくことはできないのだろうか。

棺桶の中を見ることはない。だから、喪布がかかり、同じように見えてもアレとソレは本当に同じか違うかはわからない。

その中身に対して考え続けること。その不安に対峙し続けること。

きっとその不安は、中身を知ってしまうことよりずっと面白い。

 

 

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